散らすナチュラル

確実な安心をお約束

4年前と同じ場所で息をしていた

なんとか就職しました。もう転職を考えてはいますが。笑えないけどちょっと笑っちゃう。

 

慣れない仕事が辛すぎて、ずっと好きだった人を撮りたいなあと思った。入った会社がそれなりにやばくて、仕事量もそれに伴う責任も入社一ヶ月に課すようなものでは全然なくて、マジで無理だって思ってた矢先、断られてもいいやと思ってラインを送った。彼は全くラインとかおそらく見ない人なので、いつも返信は日を跨ぐ事が多かったのだが、確かその日中に返信がきたように記憶している。

彼は就職せず、大学院に進学したらしい。私の仕事上、土日必ず休めるかわからないから、いつ撮れるかは確約できないと伝えると、じゃあ日曜は極力空けてくれるという返信がきた。単純に死ぬかと思った。もともと人付き合いを全くしない人なのに、何で撮らせてくれるのかはずっと謎だった。その瞬間、その謎が倍増した。なんて思わせぶりな事を言うんだこの人はと思ったけど、その時の私にとっては、その言葉は希望以外の何者でもなかった。3月末の事だった。

その後、4月中は色々忙しかったり私のメンタルが死んでいたので、全然撮影できるような気力がなかったのだけれど、ゴールデンウィークの5/3~6は何とか休めそうだったので、声をかけた。声をかけた段階でも、完全に休めるかはわからなかったのだけど、それを伝えるとじゃあ4~6は空けておきますと言う返事が帰ってきた。また死ぬかと思った。でも、その予定がマジで私を生かした。特に4月末は仕事でミスって怒られまくっていたので、余計に。

ギリギリまで休めるかマジで危なかったんだけど、何とか休めたので撮影が決まった。4日のことだ。とりあえず撮りたい!という気持ちが先行していたので、どんな写真を撮るかを考えるのをすっかり忘れていた。なので、最初にラインした時に仕事で訪れていた、私にとっても馴染み深い豊洲で撮影することにした。かなり勢いでラインしていた気がする。だって次の日の撮影当日の朝の電車から毎度のように緊張しまくっていたから。

彼を初めて撮ったのは約6年前。高校3年生の時だ。その時も待ち合わせの段階から吐きそうなくらい緊張していたのを今でも鮮明に思い出せる。緊張しすぎてすっぽかしてそのまま帰ろうかガチで悩んでいたくらい。それから1年半くらいブランクがあって、約4年前から度々撮らせてもらっていた。4年前撮らせてもらった時も、めちゃくちゃ緊張していた。待ち合わせの時も緊張しすぎてマジで吐きそうだった。理由は単純、かっこよすぎて。あまりのかっこよさに、改札から出てきた彼をみた瞬間卒倒するかと思った。今思うとすごく懐かしい。そして、なんか自分若かったなとしみじみ思う。撮影の回数を重ねるたびに、少しずつ慣れていったけど、今回みたいに時間が空いてからの撮影になるとやっぱり緊張する。なんか、笑っちゃうんだけどね。

正しく1年ぶりに再会した彼は全然変わってなかった。遅刻癖は治ったようで時間通りに待ち合わせ場所に現れた。私の格好、かなり昔と変わったように思うんだけど迷わずまっすぐこっちきてびっくりした。相変わらず話し始めはぎこちなかったけど、話し始めると割と普通に話せるようになる。私は一応社会人になったので、お昼代とか諸々は奢ると決めていたので奢った。奢ると言うと、ヒモ感がしますねと言われて笑った。

撮影地まで歩いた。日差しはほぼ夏だった。色々な事を聞いたような気がする。去年彼は死ぬほど多忙だったらしい。実際に聞いたらマジですごかった。友達はできましたか?と聞くとそれはできなかったらしいけど、同じゼミの体育会系の人とはたまにラインするらしい。なんか普通によかったなと思った。ゼミに入った影響で人と関わる機会がふえたらしく、彼曰く人間力が上がったらしい。でも撮り始めて、カメラを向けたら少しぎこちなくなったので、本当に人間になったのだと思った。別に嫌な意味ではなく。昔の彼は本当に人らしさが良い意味でも悪い意味でも無かった。だから惹かれたのもきっとある。カメラを向けても物怖じせず、何も考えていない、何も見ていないような彼の目が好きだった。だから撮りたかった。浮世離れしていたのだ。まるで現実に生きてないみたいで。だからこそ、彼は私の理想の被写体だったのだと思う。しかも、そのくせ、時折慈愛に満ちた顔をするのだ。私の思い込みなのかもしれないけど、たまらないと思った。許されているような気持ちになるから。

予定していた場所で撮ったけど、なんか彼の人間らしさも合い間って振るわなかった。場所を変える事にした。また歩く。今まで話せなかった事を話す。ありふれた事だけれど、笑っちゃうくらい幸せだと思った。私は一生この人のことを好きな気がした。不毛なことだと、思うけど。でも、これを書いてる今でも、あの瞬間、本当に幸せだったと断言できる。それこそ、泣きそうになるくらい。

前に仕事でロケハンした時にいいなと思った場所に行った。彼を立たせて、一瞬でここだと思った。夢中で撮った。ひたすら写真を撮った。耳元の音楽と一体化した気がした。生を実感していた。夢中すぎて、全然気づかなかったけど、彼曰く35分くらいも同じ場所で撮っていたらしい。光が美しかった。直射日光で、まっすぐ照らされた彼を撮った。撮っていたら、またあの慈愛の表情がきた。夢中でシャッターを切った。消えないように、ずっと記憶に残るように、ひたすら撮った。本当に、笑っちゃうくらいに、美しかった。ゴールデンウィークなのに人もあまり来なくて、静謐で、芸術品のようだった。最高だった。

あまりにもよく撮れたので、撮り終わった後に最高でした!と伝えると彼は苦笑いしていた。その後、私はよく撮れた事でめちゃくちゃ浮かれていたと思う。それがだいたい15時くらいの時。私は強欲なので、移動して撮りたいと言うと別に良いと言われたので、豊洲から新木場に移動する事にした。4年前も彼を撮ったゲートブリッジに行こうと、なぜか思った。電車に乗り、新木場駅に向かった。

ゲートブリッジのある若洲海浜公園行きのバスまで時間があったので、ファミマでフラッペを買う事にした。実は、豊洲でコンビニ行った時にフラッペを買うつもりだったのだけど、入ったのがローソンだったので売ってなかったのだ。私はそれで結構がっくり来ていた。でも新木場のファミマを見た時にフラッペ買うか迷っていたら、フラッペ買わないんですか?と言われたので買う事にした。案の定、こいつよく覚えてるなと思って私はまた浮かれた。笑

てっきり私だけフラッペ買うと思っていたら、彼も買ったので私はマジでびっくりした。そしてバスが来るまでバス停の横のベンチに座って二人でフラッペを飲んだ。なんだこれデートか?と思ったけど彼はマジで全く微塵もそんなつもりないだろうから残酷だと思った。でも、笑っちゃうけど幸せすぎて私大丈夫か?とも思った。多分大丈夫じゃない。大丈夫じゃないけど、神様本当にありがとうって感じだった。フラッペは普通にめちゃくちゃ美味しかった。

バスに揺られてゲートブリッジまで行く。バスを降りて、海辺まで歩いた。不思議と話は尽きなかった。4年前も彼と訪れた場所でまた彼と歩いているのが不思議だった。写真を撮りながら、4年前のことを思い出したりもした。あの時は本当に必死だった、撮る事に。懐かしい。今も必死だけど、ベクトルが違う。昔の自分が少し好きになった。彼は変わらない。いや、変わったか。撮って移動して撮ってを繰り返す。そうしたら、太陽が分厚い雲に隠れてしまった。夕日がでるところを撮りたかったので、草むらに座って陽を待つ事にした。私がお腹すいた、おやつを買ってくればよかったと呟いたら、持っていたお菓子をくれると言ってくれたのでめっちゃ驚いた。前はそんな事いう感じの人じゃなかったように思っていたから。でもくれると言っていたチョコは暑さで溶けていたので、さすがに断った。ここで食べたら大惨事になるかと思って。でも、彼は普通に食べてて笑った。なんか、ほんと普通じゃないと言うか、なんか、ほんと謎。

結局陽は出なかった。写真を軽く撮って、バスの時間が迫っていたのでバス停に向かう事に。帰りの話をするところで、彼が夕飯食べて帰りますか?と言ったので私はマジで本当に死ぬほど驚いた。そして、今まで生きて来た中で一番浮かれた。友達が見ていたら爆笑するレベルで浮かれまくっていたと思う。とりあえず、単純に、めちゃくちゃ嬉しかった。嬉しすぎて、幸せすぎて死ぬかと思った。私は二つ返事で食べましょう!!!!と言い、ウキウキしながら公園を後にした。バスが鬼ほど混んでいたけど、もうそんな瑣末な事は全くどうだってよかった。彼とご飯が食べれる。それだけで十分幸せだった。もちろん奢ります、と私が言うとマジでヒモ感やばいですねと笑われた。別に、奢り目当てでご飯に誘われたのでも全然構わなかった。彼と1秒でも長く一緒に居たかった、なんて言ったらホント笑えるんだけど、気持ちとしてはそんな感じだったから。

電車に乗りながら、どのご飯屋に行くかとか悩んだけど、なんかめんどくさくなって来たので空いてそうな店ってどっかなかったっけな〜と思った矢先、新宿のラケルが思い浮かんだのでもうそこでいっか、と思って電車で寝ようとしていた。彼は何やらケータイでめちゃくちゃ文字を打ち込んで居たので何かしてるんだな〜と思って居たら、今日撮った写真をフォルダ分けして居たらしい。と言うか、今まで誰かと出かけたら写真を撮って日付と誰と出かけたか書いてクラウドに入れていたらしい。几帳面すぎてびっくりした。てか、前出かけた時とか結構写真撮られた気がしていたが、別に私は可愛くもなんともないので非常に心苦しくなった。でも、思い出としてカウントされているのなら、これ以上幸せな事はないとも思った。マジでこいつ私を調子付かせる天才か?とも思ったけどもうなんかウワーーーーってなったので電車で大人しく寝た。

新宿について、ご飯どうします?と聞くと、電車で調べたんですけどあんまりピンと来なかったと言われてまたもや驚いた。マジで人間力が上がっている。私がオムライス屋なら空いてるかも、オムライスどうです?と言うとじゃあそこでと言われたので大人しくラケルに行った。空いてはいなかったが、普通に座れた。私はいつものオムライスを頼んだ。彼はなんか重そうなハンバーグとオムライスのセットを頼んでいた。少食なのか大食いなのかわかんないっすねと言うと、今日は歩いたのでと言う謎の回答をいただいた。なんかもうその謎の会話のやり取りですら嬉しく感じていたのだから、もう本当にダメな気がする。その後もご飯食べながら色々話した。流石に会ってから6年経っていたので、それも含め今まで聞けなかった色んな話を聞けてすげーーーーーーーーーーーーー幸せだった。幸せすぎて、マジで死ぬかと思うくらい。今日だけで何回死にかけてんだろってくらい。彼は本当に綺麗な顔をしているので、私はずっと疑問だった逆ナンとかされないんすか?とかくだらない質問をした。されないらしい。されなくていいけど、なんでだ!とも思った。こんだけかっこよくて、普通におしゃれしてたら声かけるやろ!!!!!!と思うのは私だけなのだろうか?マジで声かけられないんですか?と聞いてしまったが、かけられないと言う。酒一滴も飲んでなかったのに相当なダル絡みをしていたと今普通に思い返してめちゃくちゃ恥ずかしい。でも普通に疑問だったんだよ・・・・こんなにかっこいいのにさ・・・・。

彼のことを、別に顔がかっこいいからと言うだけの理由で好きになった訳ではない。むしろ、4年前撮った時に優しくしてもらったことの方が、大きかったように思う。でも、私はアホなのでそれがうまく伝えられない。だから顔目当ての女みたいになってしまったようですごく、それが辛い。それだけの理由で6年も撮りたいなんて声かける訳ない。もう自分でもわけわからないレベルで好きだからだ。察しろや!!!!と思う。むしろ今回で察された気もする。線引きされたような気もする。ただの気のせいのような気もする。でも、嫌なら断られているような気もする。

本当は、告白してしまうつもりだった。でも、ラケルを出てから、私はこの時間が終わってしまう事の方が辛くて、あまりにも絶望的で、何も言えなかった。告白して、振られたら、もう会えなくなる。その事を考えたら怖くて何も言えなくなってしまった。彼のことは、ちゃんと被写体としても思っている。でも、会って話せる時間が、あまりにも、美しくて、幸福で、仕方ないのだ。本当に、一生好きな気がするのだ。重い女だと思う。昔、重いからと別の男に振られたことを思い出す。十分私は変われたと思っていたけど、根本は変わらないのかもしれない。でも、別に彼に好かれたいなんてわがままなことは言わない。あわよくば、そんな奇跡みたいな事が起こってくれたらいいのにとは本当に思うけどね。ただ、一年に一度でもいいから、また、会いたい。会って、話したい。その度に、こんな気持ちに苛まれるのかと思うと、もう嫌だって思うんだけど、でも結局会いたくなっちゃうからダメだ。生きているのが辛い。でも、美しい景色を見せてくれるのはいつも彼だったように思う。

次、いつ会えるのかわからない。もう会えないのかな。それは嫌だなあ。会いたいから、会えるように頑張りたい。次こそ、会えたらちゃんと好きだと言いたいなと思った。どう転ぶかはわかんないけど、もうそろそろ伝えないと自分が限界かもしれないと昨日思ったから。彼がどう言うつもりで私に撮られているのか全くわからないけど、一昨日撮った時も、ご飯食べた時もやたら笑っていてくれたので、楽しい思い出として感じてくれていたら、これ以上幸福なことはないと思う。

気持ちを吐き出さないと、ダメになりそうだったから、久々にブログを書いた。私の恋については、知ってる人も多いけれど、最近は直接話せる人も少なくなってきたからここで吐き出すことにした。少しスッキリできたように思う。今日、この記事を書ききる事ができてよかった。美しい思い出を残せた事が嬉しい。最近辛い事が多かったから、余計に。ブログを書くのってやっぱり楽しいな。もっと頻繁に更新できるようにしたいなと思った。

 


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